この世の全てを恐怖だと思い込んでいたアタシ

 

 

私は何故生きているの。
私は何処に居ればいいの。
私は誰に見られているの。

私が此処に存在する意味は、何?
 

なんて自問自答する毎日。
自分でもバカみたいだな、って思ってたら、私の中の怖いものその1、のグリムジョーがそれを口に出して言った。

 
「お前、そんなことしてて楽しいか?」
「楽しくないです」

 

あれ、口に出してたっけ?

 

「私、いま何してた?」
「…」

 

なんでそこで黙るのかよく分からなかったけど、私は気にしない振りしてその場を立ち去ろうとした。

 
「去ろうとした」だけで立ち去ったわけじゃない。

 

違う、「立ち去れなかった」んだ。

 

いつの間にか私の腕はグリムジョーに掴まれてて、力じゃ絶対勝てなくて、掴まれてた。

 

「待て、」
「…え?」

 

自然と私は恐怖を感じなかった。

むしろ、なんだか温かかった。

 

「何でもそんな風にビビッてるんだったら、破面なんか辞めちまえ」
「じゃあ何になれば良いの」

 

 

俺の嫁にでもなれ

 

 

耳元で囁かれたあと、私は体中が真っ赤になりそうなぐらいに、熱くなった。

 

もう怖いものなんて、何も無い。

 

 

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05.12.11